次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水は、 結局何がどう別物なの?
次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水は名前が似ているため、
似たようなもの?位に思ってしまっている方も多いのではないでしょうか?
でも、両者はまったくの別物です!
間違ったら危険なことになってしまう可能性もありますので、今回は
何がどう違うのか、いくつか違うポイントを簡単にご紹介したいと思います。
1.液性の違い
まず次亜塩素酸ナトリウムはpH12以上で「アルカリ性」、
次亜塩素酸水はpH5~6.5で「弱酸性」です。
※「pH」というのは、「ピーエイチ」と読み、0~14の数値で表します。
(そういえば昔理科の実験でやったような・・・という方も多いかもしれません。)
真ん中の7が中性、数値が低くなるにつれ酸性が強くなっていき、逆に数値が大きく
なっていくとアルカリ性が強くなります。
pH12以上のアルカリ性というのは、手で触れると皮膚がとけてしまいます。
一方で、pH5~6.5というのは、お肌に近い弱酸性ですので、肌に優しいんです。
この時点ですでに、名前は似ていても「全くの別物」であることが分かりますよね。
つまり、次亜塩素酸ナトリウムは大変危険な物質であることは明らかで、
使用には手袋をして直接触れないようにしたり、換気を良くして吸入しないようにしたりと、厳重な注意のもとで使用する必要があります。
勿論、絶対に人がいる空間で噴霧してはいけません。
噴霧器による噴霧はもちろんのこと、吸入する恐れがあるのでスプレーボトルに入れてスプレーしてもいけません。
メーカー各社の商品やSDS(安全データシート)にも、皮膚や経口、眼、吸入について、危険なため使用に注意が必要、と明記されています。
一方で次亜塩素酸水は、さまざまな試験結果でも示されていますが、皮膚や経口、眼に触れても、吸入しても、動物には影響がないことが分かっています。
ウィッキルでも様々な安全性の試験を行っており、マウスやラットによる吸入や経口での摂取、ウサギによる皮膚や眼の刺激性についてチェックし、同様の結果がでております。
超音波噴霧器や加湿器による空間噴霧も、スプレーボトルによる噴霧も可能で、効率よく除菌や消臭ができます。
2.ウィルス不活化の仕組み
次亜塩素酸ナトリウムも次亜塩素酸水も、主成分は「次亜塩素酸」ですが、
この次亜塩素酸はpHによって存在形態が変わります。
次亜塩素酸ナトリウムはpHが12以上で、「次亜塩素酸イオン」として存在し、
次亜塩素酸水には、pHが5~6.5で「次亜塩素酸分子」として存在します。
では、この「次亜塩素酸イオン」と「次亜塩素酸分子」でどう違うのでしょうか?
それはウィルスへの攻撃の仕方が違う!のです。
「次亜塩素酸分子は細胞膜を通過できるため、細胞内部に入り直接攻撃」
「次亜塩素酸イオンは細胞膜を通過できないため、外側からゆっくりと内部を攻撃」
ここが大きく違います。
つまり、次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムはどちらも除菌作用がありますが、
次亜塩素酸水の方がより即効性があるということになります。
以上いくつかの観点で違いについてみてきましたが、最後にもうひとつ大事な事を言わせてください。
次亜塩素酸ナトリウムを薄めても、次亜塩素酸水にはなりません!
一時期、アルコール不足の中でこのようなデマも広がったようです。
薄めたものであっても、次亜塩素酸ナトリウムであることは変わりませんので、絶対に空間噴霧やスプレー噴霧などでの使用はしないでください。