次亜塩素酸水溶液の除菌力は「ppm」をみればOK?「pH」との関係は?
次亜塩素酸水溶液を探していると、「ppm」という表記が良く出てきます。
この「ppm」は何を表すかご存知でしょうか?
また、同時によく「pH」という表示も出てきます。
どちらも次亜塩素酸水溶液の除菌力をみる際にとても重要な情報です。
今回は、そんな「ppm」と「pH」についてお話してまいります。
次亜塩素酸水溶液の除菌力は「ppm」が重要
ppmは有効塩素濃度を表す単位で、塩素がどれくらい入っているのかを示します。
「ピーピーエム」と読み、「パーツ・パー・ミリオン」という濃度の単位です。
(主に濃度で用いられていますが、不良発生率を示す場合にも用いられる場合があります。)
10,000ppm=1%で、1,000ppmの次亜塩素酸水溶液は有効塩素濃度0.1%となります。
「次亜塩素酸」は菌の繁殖を抑えるため、身近なところでも使われています。
例えば水道水ですと有効塩素濃度0.4ppm、プールの水で有効塩素濃度0.4~1ppmとなっています。
ある程度の菌の繁殖を抑える効果を持ちながらも非常に薄い濃度に調整されているため、水道水は飲んでも大丈夫ですし、プールの水も目や鼻の粘膜にそれほど影響はありません。
また、新型コロナウィルスへの効果として厚生労働省が示している濃度は「80ppm以上」で、元の汚れがひどい場合などは「200ppm以上」を使うことが望ましい、とされています。
(※参考「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について(厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ページ)」)
このように、使用する目的によって必要となる塩素濃度が異なっており、やはり次亜塩素酸水溶液でまず意識しなければいけないのはこの有効塩素濃度「ppm」であるといえます。
尚、次亜塩素酸水溶液は、水道水で希釈して濃度(ppm)を調整して使えます。
例えば、1,000ppmを100ppmにする場合は10倍希釈となり、次亜塩素酸水溶液:水を「1:9」の分量で入れる、という具合です。
※除菌や消臭で使う場合に、具体的にどのような濃度に希釈すれば良いかについては「濃度設定の目安」(次亜塩素酸水溶液の使い方)をご覧ください。
次亜塩素酸水溶液を扱う際は、まずこの「ppm」がいくつになっているかを確認しましょう。
濃度「ppm」と「pH(ピーエイチ)」の関係
次亜塩素酸水溶液をみる際にもう一つ大事な情報が、「pH」です。
これは「ピーエイチ」と読み(昔は「ペーハー」とも呼ばれていました)、
酸性~中性~アルカリ性の液性を表す「0~14」の水素イオン濃度指数のことです。
「0」に近いほど酸性が強くなり、「7」で中性(純水)、「14」が強アルカリを示しています。
昔、理科の実験でやったような??という方も多いのではないでしょうか?
このpHがなぜ重要なのかというと、次亜塩素酸水溶液の除菌力の要となる主成分「次亜塩素酸(HOCl)」の残存率が「pH」に依存するからです。
下の図のように、次亜塩素酸分子の残存比率は概ね
「pH4.0~6.5(微~弱酸性)」の状態で最も多く、
それより小さくても大きくても、残存比率がかなり低くなってしまいます。
pHが0~2くらいでは、次亜塩素酸分子ではなく塩素分子の状態となってしまうため、除菌力が低くなってしまいます。
逆にpHが7より大きくなると、次亜塩素酸分子は「次亜塩素酸イオン」の状態となってしまうため、こちらも除菌力が低くなります。
つまり、次亜塩素酸水溶液の除菌力は「濃度(ppm)」だけでは測ることができず、「pHが適切な範囲にあるか」を併せて確認しなければならないのです。
除菌のために次亜塩素酸水溶液の製品を選ぶ際には、まずppmを除菌力の目安としたうえで、pHが微~弱酸性の範囲にあるものを選ぶようにしましょう。
※次亜塩素酸水溶液についてさらに詳しく知るには、「次亜塩素酸水とは」もぜひご覧ください。
次亜塩素酸水溶液が安全な理由、除菌力や消臭力の高さの理由、名称が似ている次亜塩素酸ナトリウムやアルコールと比較したメリットなどについても紹介しています。